fledgling-cae-engineer’s diary

駆け出しCAE技術者のノート

CAE関連のイベント・セミナー

日程 イベント・セミナー名 場所 主催
9月7日 電磁界解析ソリューションの事例紹介 Web アルゴグラフィックス
9月14日 第7回 アドバンス・シミュレーション・セミナー Web アドバンストソフト
9月20日 SIMULIA COMMUNITY CONFERENCE JAPAN 2023 赤坂 ダッソー・システムズ
9月22日 生成 AI・大規模言語モデルとCAE Web アドバンストソフト
9月26日 ATCx 電動化ソリューション Web アルテアエンジニアリング
9月28日 EMC規格とシミュレーションによる仮想試験環境 Web ANSYS
9月28日 自動車技術に関するCAEフォーラム2023秋 名古屋 UTmobI
9月29日 自動車技術に関するCAEフォーラム2023秋 Web UTmobI
10月5日 デジタルツインの最新テクノロジー ~電磁界・熱・流体の多様なアプリケーション事例~ 東京 ANSYS
10月6日 第8回 アドバンス・シミュレーション・セミナー Web アドバンストソフト
10月11日 ADVENTUREClusterユーザ会2023 品川 SCSK
10月20日 第7回 aPriori セミナー2023 東京 SCSK
11月10日 第9回 アドバンス・シミュレーション・セミナー Web アドバンストソフト
11月10日 Realis Simulation Japan User Conference 2023 東京 SCSK
11月10日 IDAJ SYMPOSIUM 2023 横浜 IDAJ
12月6日 pSevenユーザ会 2023 東京 SCSK

2023年度CAE関連のイベント・セミナー

日程 イベント・セミナー名 場所 主催
5月9日 DXフォーラム2023春 東京 大塚商会
5月12日 油圧システム分野でのシステムレベルシミュレーション~統合的なモデリングワークフローから解析_カスタマイズまで~ Web サイバネットシステム
5月24日 CAE Solutions Conference 2023 春 Web CAEソリューションズ
5月24日
〜5月26日
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜 横浜 自動車技術会
5月30日
〜6月16日
IDAJ Conference Online Reboot+  Web IDAJ
5月31日
〜6月2日
電子機器トータルソリューション展 JPCA Show 2023 東京 日本電子回路工業会
6月14日
〜6月16日
Interop Tokyo 2023 東京 Interop Tokyo 実行委員会
6月15日
〜6月16日
ACE 2023 Japan 東京 アラスジャパン
6月16日 3DEXPERIENCE CONFERENCE JAPAN 2023 東京 ダッソー・システムズ
6月16日 ユーザー・ベンダー交流会~どうするCAE、どうなるCAE(仮)~ Web 中部CAE懇話会
6月30日 Lucid Motors CEOが語るEV車両開発とアルテアのソリューション Web アルテアエンジニアリング
7月5日
〜7月7日
人とくるまのテクノロジー展 2023 名古屋 名古屋 自動車技術会
7月14日 CadenceLIVE Japan 2023 横浜 日本ケイデンス・デザイン・システムズ
7月21日 第4回 アドバンス・シミュレーション・セミナー Web アドバンストソフト
7月25日 ARGO DX オンサイトセミナー 東京 アルゴグラフィックス
7月26日 抵抗溶接ソリューションSORPAS バッテリー溶接セミナー Web SCSK
7月26日
〜7月28日
TECHNO-FRONTIER 2023 東京 日本能率協会
8月3日 インダストリアルデジタルツインサミット 2023~製造業をつなぐ、デジタルモデルによるシームレスな擦り合わせ新時代~ Web インプレス
8月5日 第5回 アドバンス・シミュレーション・セミナー Web アドバンストソフト
8月24日
〜8月26日
ATC Japan 2023 東京 アルテアエンジニアリング

[問題21]軟鋼の応力歪み曲線

問題

軟鋼の引っ張り試験により得られた公称応力−公称歪み曲線について、A〜Dに対応する用語の組み合わせとして適切なものはどれか。

軟鋼の応力歪み曲線
  1. A:限界応力、B:下降伏点、C:上降伏点、D:破断応力
  2. A:上降伏点、B:下降伏点、C:引張強さ、D:破断応力
  3. A:上降伏点、B:下降伏点、C:破断応力、D:引張強さ
  4. A:降伏点、B:降伏棚、C:引張強さ、D:破断応力

 

考え方

軟鋼は、一般的におよそ490N/㎟以下の引っ張り強度の炭素鋼のことを言います。

軟鋼の応力歪み曲線は、図のような形になることが知られています。

降伏点は、上降伏点(図中のA)と下降伏点(図中のB)の2種類があります。単に降伏点と呼ぶ場合は、上降伏点を指します。下降伏点がおおよそ一定になる歪みの範囲は、降伏棚とよばれています。

引張強さは、引張力に対する最大強度ことであって、図中のCに該当します。

 

したがって、正解は2でした。

[問題20]コンパイラ言語とスクリプト言語

問題

この中で、コンパイルが不要なプログラミング言語はどれか。

 

考え方

コンパイルとは、高水準言語で書かれたコンピュータプログラムをコンピュータが実行や解釈できる形式に変換することです。プログラミング言語には、実行に際してコンパイルが必要となるコンパイラ言語と、コンパイルを行わなくても実行可能なスクリプト言語があります。コンパイルの要不要は、その言語の設計で決まっています。

 

代表的なコンパイラ言語

代表的なスクリプト言語

 

したがって、正解はdでした。

[問題19]四面体要素と六面体要素

問題

四面体要素と六面体要素の特徴を表す記述のうち、正しいものはどれか。

 

  • 四面体要素は、自動メッシュによる複雑形状のメッシュ生成に向いている。
  • 1次四面体要素は、1次六面体要素よりもアワーグラスモードが発生しやすい。
  • 六面体要素は、四面体要素よりも自動メッシュ生成が発達している。
  • 2次六面体要素は、2次四面体要素よりも精度が低いので好まれない。

 

考え方

これは実際の解析業務でもよくある問題なので、先輩CAE技術者はみなさんは、経験的に覚えているようでした。

 

2次元1次四角形と3次元1次六面体要素では、アワーグラスモードが発生しやすい。

 

本当は六面体要素のメッシュを生成したいが、自動メッシュの機能が限定されており、手動でメッシュを生成せざるを得ない。

 

設計者が描いたCADに対して四面体要素のメッシュを自動生成すると、メッシュ数が膨大になりがち。なぜなら、多くの場合、精度の良くするためには2次四面体要素は2次六面体要素よりもメッシュを細分化する必要があるからです。

 

したがって、正解はaでした。

 

[問題18]差分近似の種類と精度

問題

関数 f(x)の1階微分 f'(x)と2階微分 f''(x)の近似(A−C)について、精度と差分近似の適切な組み合わせはどれか。

 \displaystyle \begin{align}
 f'(x) &\approx \frac{f(x-h)-f(x)}{-h} \tag{A} \\
f''(x) & \approx \frac{f(x+h)-2f(x)+f(x-h)}{h^2} \tag{B}\\
 f'(x) &\approx \frac{-f(x+2h)+4f(x+h)-3f(x)}{2h}  \tag{C}
\end{align}

  • A:1次精度の前進差分、B:1次精度の中央差分、C:2次精度の前進差分
  • A:1次精度の前進差分、B:1次精度の後退差分、C:3次精度の後退差分
  • A:1次精度の後退差分、B:2次精度の中央差分、C:3次精度の前進差分
  • A:1次精度の後退差分、B:2次精度の後退差分、C:3次精度の後退差分
  • A:1次精度の後退差分、B:2次精度の中央差分、C:2次精度の前進差分
  • A:1次精度の後退差分、B:2次精度の後退差分、C:2次精度の後退差分


解き方

差分近似の種類を確認した後、テイラー展開しましょう。

差分近似は、前進・中央・後退の3種類があります。どの差分近似を表しているかは、 hの符号で決まります。

 +hがあれば、前進差分近似

 -hがあれば、後退差分近似

 +h -hの両方があれば、中央差分近似

よって、AからCの近似は、
A:後退差分近似
B:中央差分近似
C:前進差分近似
です。


次に、テイラー展開を利用して近似の精度を調べます。
テイラー展開の公式は次式です。

 \displaystyle f(x)= f(a)+f'(a)\cdot (x-a)+\frac{f''(a)}{2!}\cdot (x-a)^2+\cdots

この公式で、 x=x+h a=xとおくと、 f(x+h)の展開式が得られます。
 \displaystyle f(x+h)= f(x)+f'(x)\cdot h+\frac{f''(x)}{2!}\cdot h^2+\frac{f'''(x)}{3!}\cdot h^3+\cdots

 x=x+2h a=xとおくと、 f(x+2h)の展開式が得られます。
 \displaystyle f(x+2h)= f(x)+2f'(x)\cdot h+4\frac{f''(x)}{2!}\cdot h^2+8\frac{f'''(x)}{3!}\cdot h^3+\cdots

 x=x-h a=xとおくと、 f(x-h)の展開式が得られます。
 \displaystyle f(x-h)= f(x)-f'(x)\cdot h+\frac{f''(x)}{2!}\cdot h^2-\frac{f'''(x)}{3!}\cdot h^3+\cdots


これらを用いて、A、B、Cの差分近似を調べてみましょう。

A:
 \displaystyle \begin{align}
 f(x-h)-f(x) 
&= f(x)-f'(x) \cdot h +\frac{f''(x)}{2!}\cdot h^2 +\mathcal{O}(h^3)  -f(x) \\
&= -f'(x) \cdot h +\mathcal{O}(h^2) \\
\end{align}
上式を -hで割ると hの1次式になり、1次の精度を有していると言えます。


B:
 \displaystyle \begin{align}
 f(x+h)-2f(x)+f(x-h) 
&= f(x)+f'(x) \cdot h +\frac{f''(x)}{2!} \cdot h^2 +\frac{f'''(x)}{3!} \cdot h^3  -2f(x) - f'(x) \cdot h +\frac{f''(x)}{2!} \cdot h^2 -\frac{f'''(x)}{3!} \cdot h^3 +\mathcal{O}(h^4) \\
&= f''(x) \cdot h^2 +\mathcal{O}(h^4) \\
\end{align}
上式を h^2で割ると、2次になります。


C:
 \displaystyle \begin{align}
&-f(x+2h)+4f(x+h)-3f(x) \\
&= (-1+4-3)\cdot f(x) + (-2+4)\cdot f'(x)\cdot h + \frac{-2+2}{2!}\cdot f''(x)\cdot h^2 + \left\{-\frac{8}{3!\cdot 3}+\frac{2}{3!\cdot 3}\right\}\cdot  f'''(x)\cdot h^3 + \mathcal{O}(h^4) \\
&=2\cdot f'(x)\cdot h -\frac{1}{3}\cdot f'''(x)\cdot h^3 + \mathcal{O}(h^4) 
\end{align}
上式を 2hで割ると、2次になります。

したがって、正解はeでした。

[問題17]3×3のLU分解

問題

行列 AのLU分解として、適切なものはどれか。

 \displaystyle A= \begin{bmatrix} 1 & 3 & 5  \\ 2& 4& 7  \\ 1 & 7 & 8  \end{bmatrix}

  1.  L= \begin{bmatrix} 1 & 3 & 5  \\ 0&  -2&  -3  \\ 0 & 0 & -3  \end{bmatrix} U= \begin{bmatrix} 1 & 0 & 0  \\ 2&  1&  0  \\ 1 & -2 & 1  \end{bmatrix}
  2.  L= \begin{bmatrix} 1 & 0 & 0  \\ 2&  0&  0  \\ 1 & 7 & 8  \end{bmatrix} U= \begin{bmatrix} 0 & 3 & 5  \\ 0&  4&  7  \\ 0& 0 & 0  \end{bmatrix}
  3.  L= \begin{bmatrix} 1 & 0 & 0  \\ 2&  1&  0  \\ 1 & -2 & 1  \end{bmatrix} U= \begin{bmatrix} 1 & 3 & 5  \\ 0&  -2&  -3  \\ 0 & 0 & -3  \end{bmatrix}
  4.  L= \begin{bmatrix} 1 & 0 & 0  \\ -1&  2&  0  \\ 1 & 3 & 1  \end{bmatrix} U= \begin{bmatrix} 2 & 3 & 5  \\ 0&  -2&  3  \\ 0 & 0 & -1  \end{bmatrix}


解き方

LU分解は、行列 [A]を行列の積 [L][U] に分解する手法のようです。
 [L]は下三角行列(Lower行列)、 [U]は上三角行列(Upper行列)と呼ばれており、次の形式になるそうです。
 [L]= \begin{bmatrix} l_{11} & 0 & 0  \\ l_{21} &  l_{22}&  0  \\ l_{31} & l_{32} & l_{33}  \end{bmatrix} [U]= \begin{bmatrix} u_{11} & u_{12} & u_{13}  \\ 0&  u_{22}&  u_{23}  \\ 0 & 0 & u_{31}  \end{bmatrix}
Wikipedia先生によるとLU分解はLR分解とも呼ばれているので、LはLeftと覚えても大丈夫だそうです。


a: [L]がLower行列になっていないので、誤り。
ちなみに、 [L][U]= \begin{bmatrix} 11 & -7 & 5  \\ -7&  4&  -3  \\ -3 & 6 & -3  \end{bmatrix} であり、 [A]と一致しません。

b: [L]はLower行列になっていますが、 [U]がUpper行列になっていないので、誤り。
ちなみに、 [L][U]= \begin{bmatrix} 0 & 0 & 0  \\ 0&  6&  10  \\ 0 & 30 & 54  \end{bmatrix} となり、 [A]と一致しません。

c:正しい。
実際に行列の積を計算すると
  [L][U]= \begin{bmatrix}  1 & 3 & 5  \\ 2& 4& 7  \\ 1 & 7 & 8   \end{bmatrix} となり、 [A]と一致します。

d: [L]はLower行列、 UがUpper行列になっていますが、行列の積 [L][U] [A]と異なるので、誤り。
実際に行列の積を計算すると、 [L][U]= \begin{bmatrix} 2 & 3 & 5  \\ -2&  -7&  1  \\ 2 & -3& 13  \end{bmatrix} となり、 [A]と一致しません。

したがって、正解はdでした。