CAE関連のイベント・セミナー
2024年度CAE関連のイベント・セミナー
[問題25]直列につながれた2本の棒の伸び
問題
異なる2本の棒を直列につながれた復元要素がある。この復元要素に荷重で引っ張ったときの伸びはいくらか。棒の長さは
と
、断面積は
と
、ヤング率を
と
とする。
解き方
まず等価ばね定数を導出します。暗記できている人は、読み飛ばしてください。
応力とひずみの関係、応力と軸力の関係、ひずみの定義を列挙します。
- ヤング率
、軸方向の応力
とひずみ
の関係:
- 軸力
による応力:
- ひずみ
の定義:
これらを結びつけ、について整理する。
これをフックの法則と比較すると、等価ばね定数
が得られます。
さて、2本の棒が直列につながれているとき、各棒に発生する軸力は等しいはずです。
この式から、棒の伸びおよび
を求めることができます。
これらから、2本の棒の伸びの和を計算する。
先ほど求めた等価ばね定数
を代入すると、次のように全体の伸びが求まります。
したがって、正解はaでした。
ちなみに、直列につながれた2本の棒の等価ばね定数は次式で与えられることがわかります。
[問題24]軸方向の等価ばね定数
問題
長さ、断面積
、ヤング率
、密度
の一様な棒がある。この棒の軸方向の復元特性をばね定数で表現したい。このとき、等価ばね定数はいくらか。
解き方
まずは応力ひずみ関係、応力、ひずみを列挙します。
- ヤング率
、軸方向の応力
とひずみ
の関係:
- 軸力
による応力:
- ひずみ
の定義:
これらを結びつけると、
となります。これを整理すると、
となります。これをフックの法則と比較すると、
がわかります。
したがって、正解はbでした。
[問題23]連立1次方程式の解法(直接法と反復法)
問題
連立一次方程式の解法は、直接法と反復法に分けることができる。以下の解法のうち反復法に分類されるものの組み合わせとして、正しいのはどれか。
- 1と2と3
- 2と3と4
- 3と4と5
- 1と3と5
解き方
本問は暗記問題です。わりきって、連立一次方程式の解法を覚えましょう。
直接法
有限回の計算で厳密解を求める方法。計算コストは高いが、収束が保証される。
- Gauss法(ガウス消去法)
- 行列を上三角形に変換し、後退代入で解を求める。
- 振動解析にはあまり使われないが、小規模な系では利用可能。
- Skyline法
- バンド行列の非ゼロ要素を効率的に処理する方法。
- 有限要素法(FEM)の振動解析で広く使われる。
- LR分解(Lower-Right Factorization)
- LU分解の変種で、行列を下三角行列と上三角行列に分解。
- 振動解析にはあまり適用されないが、小規模問題には利用可能。
反復法
近似解を求め、収束するまで繰り返す方法。大規模問題に適し、メモリ効率が良い。
- Gauss-Seidel法
- 逐次的に変数を更新しながら解を収束させる。
- 振動解析にはあまり使われない。
- SOR法(Successive Over-Relaxation Method)
- Gauss-Seidel法の収束を加速するために緩和係数を導入。
- 振動解析では一般的ではない。
- 共役勾配法(Conjugate Gradient Method)
- 対称正定値な疎行列の解に適した反復法。
- 有限要素法(FEM)を用いた大規模振動解析に適用される。
- GMRES法(Generalized Minimal Residual Method)
- 非対称行列にも適用可能なKrylov部分空間法。
- 非比例減衰を考慮する振動解析に適用されることがある。
したがって、正解はbでした。
[問題22]連立1次方程式の行列表現
解き方
未知数を,
,
とする連立方程式は、次のように行列の形式で書き直すことができます。
したがって、本問の行列、ベクトル
、ベクトル
は、
となります。
逆行列は行列
と次の関係にあります。
ここで、は単位行列を表します。
また、ベクトルは
の解であることから、次式により求めることができます。
それでは、選択肢を調べていきます。
a:が単位行列にならないので、誤り。
実際にを計算すると、次のようになります。
b:が単位行列にならないので、誤り。
c:は単位行列だが、
なので、誤り。
実際にを計算すると、単位行列になることが確認できます。
次に、を計算します。
このベクトルは選択肢のと一致しません。
d:は単位行列であり、
なので、正しい。
したがって、正解はdでした。
CAE技術者の業務
ベテランCAE技術者にとっては当たり前になっていると思われるが、駆け出しエンジニアである私にとってCAE業務範囲は広い。この機会に、CAE技術者の業務を整理することにした。詳細に関しては、参考をみていただきたい。ただし、私の視点から内容を整理し、再構成した。あくまでも私の主観なので一意見として参考にしてください。
技術開発
設計や工程検討に活用できるシミュレーションモデルの構築を検討する業務。現象の再現性向上、計算の高速化、ロバスト性の強化、作業マニュアルの作成などを実施する。リーダーシップ溢れる設計者の指示のもと、事業部、R&D部のCAEチームが取り組む。ヤング層からミドル層のお仕事。メーカー勤務のCAE技術者にとって最もメジャーな業務。
設計開発
設計者が手間をかけずにCAEを実行し、設計判断を迅速に行うためのツールを開発する業務。ワークフローの整備、自動化・最適化、作業マニュアルの作成、システム化を行う。事業部のCAEチームが担当していることが多い。小規模な場合は技術開発の一環として実施されることもある。ITスキルが求められるため、システム/AI系の専門会社へ委託することもある。
設計支援
設計/量産設計工程において、作業標準に基づいて解析を実施し、設計検討を行う業務。技術開発や設計開発で作成された標準手法やツールを活用する。設計者自身が解析を行う場合もあるが、設計部門に所属する実験兼CAE技術者やが担当することも多い。CAEオペレーターとよばれがち。
受託解析
設計部門や生産技術部門からCAEのモデル化や解析業務を受託し、設計提案や課題分析を行う業務。設計見直しや製品不良対応などの要望にもとづいて比較的短期間で解析を実施する。ミドル層からシニア層のお仕事になりがち。メーカーでは一定の需要があり、わりによく見る。
人材育成
CAE技術の知見や過去の成果を蓄積し、社内での教育・トレーニングを実施する業務。企業によって人材育成の取り組み度合いに大きな差がある。また、目指す方向も企業ごとに様々あると感じる。
研究開発
新規のシミュレーション手法やシステムの研究開発を行う業務。解析モデルやアルゴリズムの研究・実装および論文発表を通じて、技術の発展を推進する。主として中央研究所で実施される。コーポレート系R&Dといえば、これが多い。近年は、マルチフィジックス、マルチスケール、デジタルツイン、マテリアルズ・インフォマティクス、AI、量子コンピューティングなどの技術が注目されている。
CAE環境構築
CAEソフトウェアや計算リソース(HPC・クラウド)を管理・運用する業務。技術力や組織力が如実に反映される領域であり、企業のCAE活用レベルを左右する。この業務に計画的に取り組んでいる企業は競争力が高く、組織的に優れた運用を行っている傾向がみられる。