CAE技術者レベル
レベル0
未経験者。CAEが何をするものなのか、よく分かっていない。シミュレーションと聞くとゲームのシミュレーションしか思いつかず、FEMという言葉を見てもピンとはこない。世の中のほとんどの人はこのレベルにいる。
ありがちな発言
「シミュレーション?なんか難しそう…」
レベル1
非CAEエンジニア。このレベルの人は学校の授業や会社の研修でCAEに触れたことがあるが、深く理解していない。解析マニュアルを見ながらであれば、とりあえずGUIを操作して結果を出力することはできるが、結果の意味や妥当性までは分かっていない。解析結果を信頼していないが、実験と合わないと狼狽する。解析設定は上司や先輩の指示どおりに入力するのみで、メッシュが砂時計型に変形したらお手上げ。ごく稀にレベル2を目指し始める。得意技は、オートメッシュ。
ありがちな発言
「シミュレーションね。おれも使ってる!」
レベル2
駆け出しCAEエンジニア。このレベルの人はいくつかの解析を自力でこなせるようになり、ソフトの基本操作を習得済み。解析結果を見るのが楽しくなり、時間の許す限りパラメトリックスタディしている。メッシュの重要性を理解し、ヘキサメッシュを切ることに喜びを感じる姿は傍から見れば異様である。しかし、物理法則や境界条件の重要性を十分に理解しておらず、無茶な設定をしても気づかずクライアントに報告してしまう茶目っ気が残る。レベル1時代の自分を恥ずかしく思いながらも、言動は多少謙虚になる。AIに憧れを抱くことがある。
ありがちな発言
「1千万メッシュなんで大したことありませんよ。」
レベル3
ミドルCAEエンジニア。業務で数多くの解析をこなし、シミュレーションの奥深さと自分の未熟さを痛感し始める。 複数のソフトを操作できるようになり、計算力学技術者2級を取得済み。マニュアルを調べて役立つ機能を見つけては同僚や上司に報告する。実験や過去のデータとの比較が重要であることを理解し、解析と設計のギャップに悩む姿は一人前のそれである。AIを巧みに使いこなすのもこのレベルの人。
キャリア形成の難しさに気がつき、方向性を模索するようになる。偉い人の目に留まると、レベル3の段階でCAEから足を洗う。その方が企業人として成功するとの噂がある。後輩に対しては複雑な感情を抱きがち。このレベルの時分に研鑽を怠ったり、適切な指導を受けられなかったりすると、レベル5以上に進化できなくなる。
ありがちな発言
「これをこうしたら、実験と合いました。今回はうまくいきました。」
レベル4
ベテランCAEエンジニア。複数のCAEソフトの利用経験がある即戦力、計算力学技術者1級まで取得済み。計算時間や収束性を意識するようになり、闇雲にメッシュを細かく切ることはない。Pythonやマクロを使って業務を効率化しており、特定分野の典型解析であれば短期対応も可能。「陽解法 vs 陰解法 」や「FDTD vs MoM」という議論も大好きだが、最後は「重要なのは手法の違いじゃないんだけどね」と煙に巻く。
キャリアの岐路に立ち、マネジメントに進むか、テクニカルを極めるか悩むも、気付けばテクニカルに全ツッパ。レベル4のまま定年を迎える人も少なくない。レベル5を飛ばしてレベル6に進化する人もいる。長年このレベルに留まっている人はAIを敵視した後に使い始めるが、上手くいかず挫折する。
ありがちな発言
「非線型挙動も解析してみますか?」
「MoMこそ至高」
レベル5
エキスパートCAEエンジニア。CAEの理論や数値計算の本質を理解し、問題に応じて適切なモデル化ができるようになっている。モデルリングに1日もかからない。計算力学技術者1級をフルコンプリートし、死角はない。会社員人生の大半をシミュレーションに捧げており、まごうことなきCAEエンジニア。クライアントの無茶振りにも対応し、「この人がいれば大丈夫」と頼られる存在。そばにいるだけで心強いが、トレンドにはついていけないとの声がちらほら。
このレベルの人は規模の小さい会社では、何でも屋さんになりがち。一方、大企業では、現場のリーダーとして尊敬されるが、CAEエンジニアの昇進ルートが限られているため、評価のされ方に悩むことも。
ありがちな発言
「やってみますか」
レベル6
アウトローCAEエンジニア。すべてに吹っ切れた者だけが到達できる境地。市販のCAEツールに満足できず、独自の解析コードを書き既存ツールの限界を超えようとする。「この解析、既存ソフトじゃ無理だから自分で実装しよう」と考えるのがデフォルト。趣味は、クラスタ計算機の監視。育成に成功している場合、会社のCAEレベルを一段上げる。自己研鑽の末にこのレベルに達した場合、CAEを趣味にしてネットの世界で活躍する。どちらとも言えない場合は会社とCAE業界どちらの発展にも関わらない。稀にベンダーに転職し、CAE業界の発展に尽力することがある。
ありがちな発言
「市販のソフトじゃ実装されてないから、自分で作りました。」
CAE技術者レベル別名称
| レベル | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 0 | 未経験者 | シミュレーション?なんか難しそう… |
| 1 | 非CAEエンジニア | とりあえず実験派。シミュレーションは簡単と豪語するもエラーが出るとお手上げ。 |
| 2 | 駆け出しCAEエンジニア | シミュレーションの基本を学び、試行錯誤を繰り返しながら暴走気味に解析。荒削り。 |
| 3 | ミドルCAEエンジニア | 理論と実験のギャップに悩むお年頃。解析結果を見ては「うーん」と首をかしげる。 |
| 4 | ベテランCAEエンジニア | CAEの専門家として認識される。議論好きだが、流行りのAI解析にはついていけない。 |
| 5 | エキスパートCAEエンジニア | 設計者から頼られる存在。解析の質には、クライアントの思いが反映される。モデリングの達人であり、経験値MAXの職人。 |
| 6 | アウトローCAEエンジニア | CAEソフトの限界を超え、何かを解決しようとする。彼の後ろには誰にもいない。 |
| 7 | CAEマネージャー | 解析よりもプロジェクト管理と調整がメイン。「最近のCAE技術、面白いね」と言いながら実はやってない。 |
参考
CAEエンジニアあるある
キャリア
東大卒弊社新人の名言
— てるくん (@westrance) December 31, 2023
「しんどい思いしてCAE解析を一日かけてやって、上司に叩かれて、1万/日しかもらえないんですよね。家庭教師5000円/時間もらいながら医学部行った方がメリットでかいですね。やめます」
彼は今、医者になった。
CAEベンダーに勤めてるメーカー出身エンジニアで元々どこのメーカーにいたかって調べるとホンダ出身者がかなり多い気がする
— さぼふきん (@digilog10) March 5, 2024
自分でリアルなものを作ったり組み立てたりという経験が絶望的に少ないので、このままCAEエンジニアとしてやっていくうえでもそこが足枷になってきそう
— さざなみ (@millgoroh_SSR) February 18, 2023
あと、CAEエンジニアとしてやっていくうえでは数字に弱すぎる
キャリアが中途半端
機械設計エンジニア→CAEエンジニア→AWS エンジニア https://t.co/IOfXXXmJIc
— つのだこ (@tsunodako2023) May 21, 2022
私でもできそうな仕事一覧
— ピングー (@gw7711) May 10, 2023
(現職はソフト開発技術者)
①塾予備校の数学講師
②ソフト開発技術者(転職するならもうやりたくないかも😢)
③経理職
④CAEエンジニア
⑤保険数理士
③〜⑤は32歳未経験だと流石にキツイかな😢
①は人気講師になれば青天井だけど、カリスマ性が😢
元CAEエンジニアです。
— 碧 流星《デジタル家電レビュー》 (@blue_meteor555) April 30, 2022
個人的にはこういう汎用化が進んだ物も界隈を専門にするのはキャリアとして少しリスクを感じる。
— MKT (@KMKTo) July 28, 2020
うちの会社で言えば、かつて花形だった、有限要素法の解析エンジニアは、今や設計部門の使いパシリだ。「早く解析してくれる?自分達でもやろうと思えばできるんだけど…」こういうのはよく聞く https://t.co/0rbgQSb7rA
CAEエンジニアはエンジニアだから大丈夫だと思いきやFの某部門のCAE部署は間接部門認定されたという噂。。。 https://t.co/t1TN0hNtcT
— つのだこ (@tsunodako2023) February 21, 2019
今時CAEエンジニア専門じゃ給料上がらんよ
— ダジリ (@dajilig) November 1, 2019
OEM、Tire1の解析、評価、実験、設計全てやるかベンダー、Slerでセールスエンジニアで5年やれば、30代で年収1000万円は越える可能性がある
実験というか机上計算レベルで、計算結果のオーダ感が把握出来ているかどうかが重要ですね。
— Magician@技術垢 (@magician3d) June 30, 2019
また結果の良し悪しもあるんですが、ツールとしては誰でも使えるようになってしまったことで価格破壊が起き、専門家たるべきCAEエンジニアが買い叩かれるようになってしまってはいないかとも危惧しています。
CAE vs 設計
若手をオペレーターじゃなくエンジニアに育てようとしたら、CAEをがっつりやらせる気はない。だって。
ある程度集中してやらないと覚えないのは、なんでも一緒。明日になったら、素人がいきなりCAEエンジニアになるわけない。
この采配、正気の沙汰か??— だいちゃん。 (@NC35_V4d) May 12, 2023
CAEは魔法のツールじゃないです。そもそもCAEを使えるエンジニアは現物を見てる、理解してる。設計者CAEが上手く広まらないのは、設計者が現物を見てないから。理解していないから。管理職がポンコツよね、今の製造業
— つくだに (@RCadcamcae) January 3, 2023
結局、設計者がCAEを使うことにポジティブになってないと、解析者がいくら説明したところでどうとでも言われてしまうんだよな。
— naka (@tk50562007) November 5, 2023
「定量的に予測できないなら意味ないじゃん!」的な。
解析者は設計者と如何に信頼関係を結べるかに尽きる気はする。 https://t.co/QQayDASaPo
設計がそんなに簡単なら設計者CAEなんて言ってないでCAEが設計を包含するようにすればいいのに
— dgw48 (@dgw48) April 30, 2024
CAEエンジニアの育て方
CAE エンジニアを育成するために必要な教育?? そりゃ〜精神修行だろ。
— ttsyCFD (@TtsyCfd) October 25, 2021
CAE vs AI
社内でデータサイエンティストを募集すると結構な希望者が出てきそう。
けどCAEエンジニアを募集しても希望者が出ないという悲しみ。— TS (@tabakosakesuki) December 11, 2023
CAEアカだったのに?、CAEについてあまりつぶやけないい。時代の話題はすっかりAIになってしまい、先端CAEエンジニアはAIやっている。
— つのだこ (@tsunodako2023) December 16, 2023
優秀なCAEエンジニア
企業で言うところの優秀なCAEエンジニアはCAEに詳しい研究者(論文や専門書から情報を取り込んで解決できる)or設計者(現物のアレコレを上手いこと考慮して解決できる)であり、純粋なCAEエンジニアだと評価は微妙な気がする
— ISO#Amazing (@iSO0015) October 3, 2022
Twitterでは世の中は優秀なCAEエンジニアが溢れている、企業は彼らを安く買い叩いてる、みたいな話ばかりだけど。募集する方から見ると、優秀なCAEエンジニアはほとんどいない、本当に優秀ならば単価は高くても構わないし、でもやっぱりない。という感じなんですよね。 https://t.co/4X1MfU9zuJ
— つのだこ (@tsunodako2023) October 3, 2022
パワポエンジニアもエンジニア、というのを目にしたが、結局はきちんとした人はパワポでもCADでもCAEでもきちんとしたもの作るし、ダメな人はどんなツール使ってもダメなもの作るからな……
— 瓦斯蛇亞瓶 (@brayton_cycle) July 10, 2023
CAEエンジニアに必要なのはデザイン知識ではなく4力が分かっていること。マニュアルに記載された数式(微分方程式や隠解法、陽解法の違いの理解)なので、通常のデザイナと職責が違う。理学部卒の人材が求められる。
— 竹渕瑛一 (@GRGSIBERIA) June 8, 2020
ぼくたちが考えるCAEの専門家
— つのだこ (@tsunodako2023) September 24, 2023
・理論、解法を考えてDr.を取った。
・CAE技術者の資格取った。
・有限要素法とか勉強した。
企業が考えるCAE専門家
・利益につながるCAE。
・開発、設計提案、不良対策、コスト削減なんでもよい。
この2つ対立する話ではなくて、繋げなくてはいけない。 https://t.co/UPCurxqiMP
CAEの醍醐味
徹夜して実装したりモデル作ったけどけど、物理則と合わず、途方に暮れるCAEエンジニアの皆さん。 https://t.co/9g88724Sf1
— つのだこ (@tsunodako2023) October 20, 2021
データサイエンティストの仕事、データの前処理に一番時間とられると聞いたけど、CAEエンジニアがCADの修正とメッシュ作成に一番時間取られるのと同じ、ということでいいのかな。。。
— つのだこ (@tsunodako2023) May 23, 2019
発見
元CAEエンジニアとして何度でも言わせて貰うけど
— Magician@技術垢 (@magician3d) October 13, 2020
「そんなんシミュレーションしなくても分かるんだが。」 https://t.co/qJDMJu9xpj
ひとりごと
CAEエンジニアが「コンピュータで計算するだけの人」に思われたくないなぁ
— ずみよーーーし (@zumisan_thr) October 6, 2020
不満
色々言うてるけど
— Ryosuke Hata (@hattan0523) September 24, 2020
CADオペレーターは消えたのか?
自動メッシャーがあるのにCAEエンジニアがなんでメッシュ切ってるんだ?
境界条件とかソルバの設定は本当にそれでいいのかどう判断するんだ?
とか色々ありますやん。
CAEエンジニアの仕事してるけど、
— 株で3000万貯める@米国株 (@Kabude1000) March 28, 2024
ブルシット・ジョブすぎて辛い、、
シミュレーションなんてそうそう当てにならないよ
業務ハック
CAEエンジニアという課題を与えれば自動的に結果を出力するデバイスがありましてね・・
— うえはーる (@uehaaaaru) May 18, 2020
理想の会社&上司
【防水中級セミナー】 キーワード
— 鈴木(崇)@神上コーポレーション株式会社CEO (@kogagami17) May 7, 2023
弊社はフロントローディング&CAE活用&設計効率UPを推進します😉
強度
CAE
バラツキ
材料 pic.twitter.com/5z8QaI5Sg6
CAD/CAE/CAMの適用なんぞ、それこそ航空機から自動車、鉄道車両に至るまで広範に適用されていて、デジタル設計なんて普通に使ってる。ただ、見落としがないかはモックアップでやったりしてることが多いけど、これやめちゃって大失敗に繋がったのが日立レールのClass385電車の失敗。 https://t.co/2BiaQxC6II
— (๑╹◡╹๑) (@tsuchie88) May 1, 2023
仲間
CAEエンジニアになりました
— KBT (@KBT000) April 3, 2019
設計開発職に就きたくて外資系特有の職種別採用に釣られて新卒で外資に入社したけど今となってはCAEエンジニアになるために転職活動してる…
— 佐藤(偽名) (@sato_gimei) February 10, 2019
新卒からそうしてれば良かった…
2023年度CAE関連のイベント・セミナー
[問題21]軟鋼の応力歪み曲線
問題
軟鋼の引っ張り試験により得られた公称応力−公称歪み曲線について、A〜Dに対応する用語の組み合わせとして適切なものはどれか。

- A:限界応力、B:下降伏点、C:上降伏点、D:破断応力
- A:上降伏点、B:下降伏点、C:引張強さ、D:破断応力
- A:上降伏点、B:下降伏点、C:破断応力、D:引張強さ
- A:降伏点、B:降伏棚、C:引張強さ、D:破断応力
考え方
軟鋼は、引っ張り強度が490N/㎟以下の炭素鋼のことです。
軟鋼の応力歪み曲線は、問題の図の形になることが知られています。
降伏点は、上降伏点(図中のA)と下降伏点(図中のB)の2種類があります。単に降伏点と呼ぶ場合は、上降伏点を指します。下降伏点がおおよそ一定になる歪みの範囲は、降伏棚とよばれています。
引張強さは、引張力に対する最大強度ことであって、図中のCに該当します。
したがって、正解は2でした。
[問題19]四面体要素と六面体要素
問題
四面体要素と六面体要素の特徴を表す記述のうち、正しいものはどれか。
- 四面体要素は、自動メッシュによる複雑形状のメッシュ生成に向いている。
- 1次四面体要素は、1次六面体要素よりもアワーグラスモードが発生しやすい。
- 六面体要素は、四面体要素よりも自動メッシュ生成が発達している。
- 2次六面体要素は、2次四面体要素よりも精度が低いので好まれない。
考え方
これは実際の解析業務でもよくある問題なので、先輩CAE技術者はみなさんは、経験的に覚えているようでした。
2次元1次四角形と3次元1次六面体要素では、アワーグラスモードが発生しやすい。
本当は六面体要素のメッシュを生成したいが、自動メッシュの機能が限定されており、手動でメッシュを生成せざるを得ない。
設計者が描いたCADに対して四面体要素のメッシュを自動生成すると、メッシュ数が膨大になりがち。なぜなら、多くの場合、精度の良くするためには2次四面体要素は2次六面体要素よりもメッシュを細分化する必要があるからです。
したがって、正解はaでした。