[問題18]差分近似の種類と精度
問題
関数の1階微分と2階微分の近似(A−C)について、精度と差分近似の適切な組み合わせはどれか。
- A:1次精度の前進差分、B:1次精度の中央差分、C:2次精度の前進差分
- A:1次精度の前進差分、B:1次精度の後退差分、C:3次精度の後退差分
- A:1次精度の後退差分、B:2次精度の中央差分、C:3次精度の前進差分
- A:1次精度の後退差分、B:2次精度の後退差分、C:3次精度の後退差分
- A:1次精度の後退差分、B:2次精度の中央差分、C:2次精度の前進差分
- A:1次精度の後退差分、B:2次精度の後退差分、C:2次精度の後退差分
解き方
差分近似の種類を確認した後、テイラー展開しましょう。
差分近似は、前進・中央・後退の3種類があります。どの差分近似を表しているかは、の符号で決まります。
があれば、前進差分近似
があれば、後退差分近似
との両方があれば、中央差分近似
よって、AからCの近似は、
A:後退差分近似
B:中央差分近似
C:前進差分近似
です。
次に、テイラー展開を利用して近似の精度を調べます。
テイラー展開の公式は次式です。
この公式で、、とおくと、の展開式が得られます。
、とおくと、の展開式が得られます。
、とおくと、の展開式が得られます。
これらを用いて、A、B、Cの差分近似を調べてみましょう。
A:
上式をで割るとの1次式になり、1次の精度を有していると言えます。
B:
上式をで割ると、2次になります。
C:
上式をで割ると、2次になります。
したがって、正解はeでした。